ゲロル日記

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カナダが移民を受け入れる理由

カナダと聞くと何を思う浮かべますか?カナダマン、メープルシロップ冬季オリンピックなどですかね。しかし最近ではカナダは移民受け入れ国家としての立ち位置を確立しているといえるかもしれません。

直近ではこんなことが。

www.cnn.co.jp

これは世界中でニュースになりましたが、1名の受け入れです。しかしこれ以外にもカナダは積極的に移民受け入れを進めているようです。

www.cnn.co.jp

こちらは100万人ということで、先ほどとは規模が違います。国際的なポーズではなく、国家政策として移民受け入れを行っているということなのでしょう。

では、どうしてカナダはそんなにも移民を受け入れるのでしょうか。日本も移民受け入れ政策が議論されていますが、かなり不安を持つ人も多いのではないでしょうか。また、EUを離脱しようとしてるイギリスの離脱理由には移民受け入れ拒否のようなものも散見されます(真偽のほどはわかりませんが)。

そんな中カナダはなんと100万人を受け入れる、と表明しているのです。これを見るとサウジアラビアの女性(ラハフ・クヌンさん)を受け入れたのは単なるパフォーマンスではなかったと言えるかもしれません。

 

カナダが移民を積極的に受け入れる理由

いくつかるようです。まずそもそもカナダは人口が国土に比べて多くないそうです。

www.nikkan-gendai.com

この記事によると

「カナダは世界第2位の広大な国土を持ちながら、人口は約3600万人と少ない。カナダにとって人口を増やすことは切実な問題なのです。しかも、農林水産業や天然資源開発、介護職など人手がかかる産業のウエートが大きく、慢性的な人手不足に悩まされている。このため以前から、移民政策は重要な課題になっています。その上、1950年代に生まれたベビーブーム世代が65歳を越え、今後、急速な少子高齢化社会を迎える。労働力を確保したいのが本音です」

ということなのです。国土については日本と事情がことなりますね。一方少子高齢化社会というのは日本とも重なります。

とはいえ、単純に人口増やしたいからと言って移民を受け入れてしまったら、文化の違いや、上記の記事にあるように肉体労働ばかりをあてがってしまったら、あまりいい結果が得られないような気もします。しかし、カナダはそこも考えているようです。

toyokeizai.net

まずカナダは多様性こそに強みがあると考えています。内閣の構成からして5割が女性で、LGBTI、北米の先住民族、障害のある大臣もいるのです。

それから、移民してきた人へのサポートシステムも整っています。

カナダの公用語は英語とフランス語ですから、各地のコミュニティセンターなどで、英語とフランス語の授業が行われています。図書館も大きな役割を果たしていて、たとえばトロントの図書館では子どもの宿題をみるクラス、算数が遅れている子には算数のクラス、履歴書の書き方、カナダ国民になるときのインタビューの受け方の指導など、さまざまなクラスが無料で受けられます。移民や難民だけでなく、さまざまな国の人を受け入れる温かい雰囲気が当たり前にあります。

移民以外にも留学生への支援もあります。

また、カナダの大学やカレッジといった高等教育機関を修了・卒業した留学生は、最長3年、その後カナダに残って働くことができます。連邦制のため、州によって雇用の条件などはさまざまですが、カナダの教育を受けた優秀な人材は人種に関係なくできるだけ残ってほしいと思っているのです。

そして社会としての人材の流動性が高いようです。

外交官も休みをとって民間で働き、戻ってくることができるのですよ。今よりさらにその機会を増やして民間で経験をするべきという意見もあります。

大学生が、大学と仕事を掛け持ちすることもできます。1学期間は大学に通い、次の学期は企業で働き、次は大学に通う……というのが当たり前に行われています。

 

 ポジティブに解釈をすると、

・国家政策として移民を受け入れることを定めている

・恐らく既に移民してきた人達も含めて移民に対する社会的な支援ムードがある

・人材流動性も高いため、社会が硬直化していない

こんな感じでしょうか。

 

一方で日刊ゲンダイにあるように

移民は、肉体労働など、カナダ人がやりたがらない仕事に就くことが多く、カナダ人と仕事の奪い合いになるケースは、ほとんどないそうだ。

というケース、目的も多くあるのではないかと思われます。

 

とはいっても、難民含めて受け入れることに対する寛容さを持っているのは間違いないでしょう。こんな動画もありましたよ。このHassan Kontar(ハッサン コンター)さんはシリアからの難民で、マレーシアの空港の外に出ることができなくなっていました。その期間なんと6ヶ月。しかし、この人もカナダが受け入れを決めたため、無事空港から出ることができたのです。

 

 いろいろな議論はあるかもしれませんが、日本もカナダの移民政策に学ぶ部分はあるのかもしれませんね!